日々の生活や仕事のなかで、ほんの少しの工夫をしただけで、「けっこう楽になったな」と思うようなことってありませんか?

改修施工によって、効率化や働く人の負担軽減に繋がった事例をご紹介します。

作業効率の改善。二カ所のクリーンルームをつなげる。

とある企業様でのこと。クリーンルームの上下階への行き来と着替えが大変とのお話。

クリーンルームに入るには専用の作業着に着替えなくてはなりません。

クリーンルームAからクリーンルームBに移動することが工程のなかで多いのですが、「A」に入るときに着替えてエアシャワーが必要です。
「A」を出るときには通常着に着替えなければならず、
「B」に入る前には、またまた作業着に着替えてエアシャワーが必要と、
移動の手順が大変ということでした。
「A」と「B」では上下階に別れています。
移動する際に少々ご面倒な手順を踏まなければならないとのことですが、それを無くす為に、階段を作ろうかという意見もありました。

しかし、天井を抜いたり、作業場の設計をし直したりとすると、建物構造や工事規模、またコストも掛かるということで「検討のしどころ」となっていました。

お客様の方では予算や効果を考えなくてはなりません。担当者様のほうでも「予算感がこのくらいであればなあ」といったものはどの企業でもお持ちかと思います。
そこで、なにかお役に立てればと現場を拝見させていただきました。

現場をみると、小荷物移動用の昇降機があるのを見つけました。
「この昇降機を人も乗せられるサイズのエレベーターに変えれば解決するかもしれない!」
シンプルな案でしたが、効果は抜群です。規模を抑え、かつ移動がとても楽になります。

これをご提案すると程(ほど)なくして、発注をいただいたので早速準備に取り掛かりました!

まずは作業を進めるために、「間仕切り」を設置していきます。

作業内容は、こうです。
・間仕切り設置
・申請業務
・既存エレベーター撤去
・エレベーターを設置する内部の整備(足場組立や内部下地、鉄骨修正や電気工事や防水工事)
・エレベーターの設置
・仕上げ作業(壁補修やコーキング、電源線、床補修など)

上下階とも、小荷物移動用の昇降機の周囲に間仕切りの設置が完了しました。

先ずはエレベーターを設置する『建物内部』の鉄骨の修正工事から。
施工中や施工後のことを考えて、しっかりと段階を踏んでいくこが大切です。

左官・ボード張りと内部の下地をキレイにしていきます。

鉄骨部分を新しいエレベーターに合わせて修正して、

エレベーターを動かすための電源線を繋ぎ、防水の加工をし、内部の準備が完了です。

これでようやく新しいエレベーターを取り付けることができるようになりました。

いよいよ人が乗降できるエレベーターの設置作業です。
メインの作業となると完成が見えてきてワクワクしてきます。
エレベーターの使われている状態や、お客様の喜んでくれる顔を想像するとやる気がでます。

エレベーターの設置ができました。
インターホン、手摺り、鏡といった付属品もしっかり完備されています。
これから電気を完全に通したり、壁を補修したりといった「仕上げ作業」に入ります。

壁面を補修し……

コーキングを打ちます。
マスキングテープを張って、溝をコーキングで埋めます。

電気をブレーカーからエレベーターにとおして、
エレベーターが使用可能になりました!

床部分を補修して、ついに完成です!

エレベーター自体はヒトやモノを運ぶ道具です。エレベーターの設置が終着点ではありません。「移動の簡略化」や、「面倒な作業からの脱却」がストレスの軽減になり、依頼のあった担当者様だけでなく、“直接にお声をきく機会の少ない、使用するスタッフの方々”に喜んでいただくことが、何よりも嬉しいことです。