トイレの乾式化のススメ

湿式トイレと乾式トイレとは?

同じトイレでも、その作りによって、乾式トイレと湿式トイレとに分かれます。

乾式トイレとは洋風のトイレの作りのことで、ボードやベニヤなどの建材を使っています。湿式トイレは、モルタルを使ってタイル張りをしてある、昔ながらのトイレの作りを指します。トイレの湿式・乾式とは、便器そのものの構造というよりも、トイレという部屋自体の作りの差によって生じるものです。

「湿式」と言うのは、モルタルを使う際に水で練るからです。施工後は、完全にモルタルが乾くまである程度の日数放置しておく必要があります。タイルは水に強く、水をかけて洗い流すことができるため、湿式トイレの多くは床に排水口が設けられていて、水を流せる仕組みとなっています。こうしたことも湿式と呼ばれる理由です。

乾式トイレは、モルタルを使わないで作る工法です。水で何かを練るという作業がなく、施工したらすぐに完成となります。水をかけて洗うという作業はできないので、排水口は設けられていません。

トイレの湿式は衛生面で注意が必要

湿式トイレは、汚れても水をかけて洗い流せるという点では良いのですが、湿気がこもりやすいというデメリットがあります。タイル張りなので、外に湿気を逃すことができないからです。また、排水口があるため、そこから湿気が上がってきてしまうことがあります。さらに、その排水口から嫌なにおいが入ってきたり、昆虫などが侵入してきたりすることさえあります。そのため、衛生面で考えると、トイレの湿式というのはあまり良くないのです。

湿式トイレはなかなか水が乾かないので、雑菌が繁殖しやすくなってしまいます。もともとトイレはウイルスや雑菌が発生しやすい場所ですから、このリスクはできるだけ避けたいところです。

また、タイルの特性上、トイレの中が冷えやすいという問題もあります。トイレに入る人が不快なだけでなく、温度上昇によって雑菌が死滅する割合が減りますので、やはり衛生面で不利なのです。

トイレのリフォームも検討してみよう

トイレが湿式か乾式かによって、快適さや衛生の度合いが変わってきます。もし、昔ながらの湿式トイレのままであるのならば、リフォームを検討してみると良いでしょう。見た目も機能も現代的となり、清潔感も上がるはずです。なによりも、衛生が保たれることで安心できる環境となるのは大きな違いですので、考える価値は十分にあります。