火災保険・店舗保険の違い

火災保険とは?

火災保険とは、名称からも分かるように、火災が生じた場合にその損害を補償するための保険です。建物そのものに加えて、家財道具なども補償の対象となります。

火災保険とは言っていますが、大雪被害や台風被害、落雷などの被害についても補償されることになっていて、自然災害一般に適用される商品が多いです。ただし、地震については適用外となり、別途、地震保険に加入する必要があります。日本は地震が多い国ですので、別枠で保険をかけないといけないのです。

火災保険は、事業者にかかわらず、幅広い人が入ることができます。そのため、一般家庭用の戸建て住宅でも、アパートやマンションでも、加入していることが多いです。

一般向けと事業向けのものでは、保険の名称を変えている会社がほとんどです。事業用の火災保険については、「普通火災保険」と呼んでいます。

店舗保険について

店舗保険とは、小売販売をするお店や飲食店などが対象となっている保険です。法人企業でも個人事業主でも加入できますが、一般個人ではなく、事業者に限定されます。保険商品によって実際の補償内容に差はありますが、幅広いリスクに対して備えられるのが大きな特徴です。

店舗内で生じた火災や水漏れ、盗難、第三者による破壊といった事態で生じた損害を補償してくれます。さらに、補償対象や内容を調整しやすいのも、店舗保険の特徴と言えるでしょう。

たとえば、店内で調理をする飲食店と、アクセサリーやアパレルのような商品しか販売しない店舗とでは、火災のリスクが大きく異なります。損害が生じやすい状況に合わせた適用範囲を設定できるのです。

また、安価な生活用品がメインのお店と、貴金属販売店のような高額商品が多いお店では、損害の額が変わってきます。それぞれの店舗の実態に合わせて、補償金額を上下できるようにもなっています。

それぞれの必要に応じて補償内容や範囲を決めることで、無駄のない保険活用ができるのです。

火災保険と店舗保険の違い

どちらも、火災を含めたさまざまなリスクに対応する保険という意味では似ています。しかし、自然災害を主とするリスクに限定される火災保険に対し、店舗保険ではさらに適用範囲が広い点が違いと言えます。

店舗保険ならば、店舗内で何かが落ちて商品が破損したとか、デモによってお店が壊されたといった人為的な理由でも、補償の対象となります。

もう一つの違いが、店舗保険は特約の種類が多いという点です。火災保険にもある程度特約を付けることができますが、店舗保険の場合は特約の選択肢が広くて、それぞれのお店の事情や環境によって生じるリスクに対応しやすいという特徴があります。

また、保険会社によって、保険料やアフターフォロー、保険とともに提供する見守りサービスなど、バリエーションが非常に豊かです。コストと想定されるリスクに応じて、細かく内容を決められるという点で、店舗保険はメリットが大きいのです。